不動産競売で物件を落札できても良いことばかりではありません。
考え得る最大の難関が、占有者がいる場合の対処です。
競売で不動産を落札できるか、またそのための費用を工面できるかなんてことは自分自身の采配で決まりますが、占有者に対する対処は自分の努力もさることながら相手次第でもあるのです。
占有者というと落札前の住人ですが、一昔前は悪徳業者に通じる良からぬ輩が占有していることも多々ありました。
住めない不動産を占有して何が得られるのかというと、立ち退き料です。
僅かでもお金をせしめるために、不動産を占有しては落札者を困らせていたのですね。
そんな状況を受けて、現在では占有者への対処などが法律で定められていますが、占有者が全くいなくなったわけではありません。
立ち退き料が目的でなくても、何かと理由を付けては自分のものでなくなった不動産に住み続けている人もいます。
落札者にとっては、自分の家に他人が無断で住んでいるような状態ですから、もちろん立ち退き料なんて以ての外。
無断という点を多めに見たとしても、むしろ賃料を要求したいくらいでしょう。
賃料という考え方で占有期間分のお金を請求することは可能です。
「使用損害金」というものです。
しかし、その場合書類の上では使用損害金でも、額を決めるに至った考え方などは賃料に相当していると、占有者としても「家賃」としか認識しなくなる可能性があります。
つまり、家賃さえ支払えばその後も住み続けられるという・・・
それでは本末転倒ですよね。
不動産競売というと、昔は良くないイメージがありました。
住宅ローンの支払いを滞納したとはいえ自宅を半強制的に競売にかけられるという点では、今でも不憫なイメージを抱いてしまう要素ではありますが、一昔前の場合はそんな理由ではありません。
かつて競売にかけられた不動産は、落札されたにも関わらず元の所有者が頑固に住み続けていました。
それは何故か。
新しい住まいが見付かっていないため?
・・・いえいえ、そんな理由ではありません。
立ち退き料をせしめるためです。
新しい住まいが見付かっていないとか、引っ越し費用が足りずに困っているという理由が本当にあるなら、何らかの方法も考えられたかもしれません。
しかし、不動産を占拠して立ち退き料を要求する人の多くは暴力団関係者などで、新居や引っ越し費用など明らかに関係無く、立ち退き料だけのために居座っていたのです。
そのため、かつては落札者がなかなか強く出られなかったのですが・・・
しかし2004年のこと、そんな事実を受けて不動産競売に関する法律が改正されて、立ち退き料などなく落札者が占有者を強制的に追い出せるようになったのです。
これで問題は解決したかのように思えます・・・が。
しかし、立ち退き料が欲しいわけではなく、実際に新居や引っ越し費用で困っている人にとっては辛いことですね。
何より住み慣れた家から“追い出される”という事実が、精神的な苦痛にもなります。
不動産競売にかけられるに至った経緯に関しては占有者に落ち度があっても、あまりに強制的な方法ばかりでは心が休まることもなさそうです。
不動産競売は、競売にかけられる立場からすればなんとしても避けたいことです。
住宅ローンのためには自宅を手放さなくてはいけないのは仕方がないとしても、不動産が競売にかけられている事実や、そうせざるを得なくなった不名誉な経緯までもが近所に知れ渡ってしまうと、引っ越し先を近場で済ませることさえできなくなってしまいます。
そのため、不動産が競売にかけられそうになるとなると、誰もが競売を避けてせめて任意売却できないかと、専門家に相談するなど方法をとるのです。
しかし、不動産が競売にかけられるなんて、どうして近所に知れ渡ってしまうのでしょうか?
競売物件を探していたりと自ら不動産を探しでもしないかぎり、競売情報なんて入ってきそうにないものですが。
これについては、競売物件の探し方を振り返れば一目瞭然です。
競売物件は不動産情報誌で探す方法もあれば、インターネットを利用する方法もあり、裁判所で直接訊ねる方法もあります。
それから、ポスティングで配布されるチラシからも。
競売物件はその性質上なるべく多くの人に知らせる必要があるため、不動産情報を探していようと探していまいと、その情報が入ってくるようになるのですね。
不動産に興味が無ければ、ポスティングのチラシをあまり注意してみることはないかもしれません。
しかし、一瞥して近隣の家が不動産競売にかけられていると知れば驚くでしょう。
すると、噂として広まることにもなります。
不動産競売の事実が知れ渡ると、退去するまでの僅かな期間さえ住みにくくなります。
同じ引っ越しなら、近所の人々と別れを惜しみつつ引っ越したいもの。
後ろ指を指されるような引っ越しなんてしたくありませんからね。
今回も競売される立場の目線からお話させていただきます。
競売されてしまうと、市場価格よりも随分安い価格で売れてしまいます。
ですから、家が売れてもまだなお、借金が残ることになります。
さらに、精神的に苦痛を味わうのは、自分の意思で退去できない点です。
不動産の引渡しは落札者の方で決めますので、自分が住む家がなくても出て行かなければいけなくなり、経済的にはもちろん、精神的にもとても負担が大きいのが競売です。
しかし、借金の返済が滞って、競売を待つだけではありません。
競売を避けるために有利に不動産を売却できる方法もあります。
それば任意売却というものです。
競売と違って、任意売却の場青は市場により近い価格で売却が可能となりローンの残債を少なくすることが可能となります。
競売と違って、引越しの時期や残債の返済の変更なども金融機関と話し合うことが可能ですので、計画的に新生活の準備が出来るという面がメリットです。
負担がとても思い競売を黙って待つよりは任意売却にはメリットがたくさんあります。
競売では自分の不動産を公表されてしまい、近所の方にもわかってしまいますが、任意売却の場合は秘密は守られますので、近所の方に知られる心配もありません。
自分の責任で不動産を手放すことになったという方もおられますが、真面目に頑張って働いていても今の世の中様々な困難が突然のように襲ってくることがあります。
でも、きちんと対応すれば、道は開けますのであきらずに、頑張っていきましょう。
競売をする立場、される立場、いろいろですね。
今までは競売の物件を買うメリットやデメリットなど、競売物件を買う立場からいろいろ書いてきました。
今回は競売される立場の目線でいろいろ書いてみようと思います。
住宅ローンを支払っている人はたくさんおられます。
近年のような景気の悪化によって、収入が減少したり、住宅ローンを組んでいる本人が病気になって働くことができない、また、離婚してしまった、自営業者だったが倒産してしまった・・・・などなど、住宅ローンを支払っていても、突然に様々な事が起こる場合があります。
住宅ローンを支払うことができなくなるとどうなるのか、今は大丈夫でも知っておくことで、最善の解決策が見つかるかもしれません。
もし、住宅ローンを滞納し続けたり、不動産を担保にして借り入れた借金をの返済が滞ってしまったとき、そのままでいると、普通ですと、債権者が担保となる不動産の競売を申し立てることになります。
もちろん競売となれば、自分の意思は全く関係なく、自分の不動産が勝手に売り出されることになります。
そして競売に出された物件を1番高い値段で落札した人がその不動産を手に入れることになります。
その代金は債権者に元へと渡りますので、もちろん、もとの持ち主にお金は入ってきません。
世の中には競売の体験にあった人はたくさんいます。
いきなり、住んでいる家を失うことになって苦しんだ方、今現在苦しんでいる方もいらっしゃいます。
自分の住まいが競売にかけられるなんて、住宅ローンを返済できないという自業自得のことではありますが、なんとも困った話です。
すぐに代わりの住まいを探そうにも、それだって簡単なことではありません。
自分や家族がまだ住んでいるときから、不動産競売は既に始まっています。
そして、落札されてもまだ引っ越し先が決まらないことも珍しくありません。
しかし、落札されたということは、自分はもうその不動産の所有者ではないのです。
所有者は落札した人で、自分はただの占有者。
速やかに新しい所有者に家を明け渡さなければならないのですが・・・
所有権が落札者に移ってからも、引っ越しを渋ってなかなか明け渡さない人はいます。
ただ引っ越し先が見つからないためだというなら、前所有者と現所有者の間で話し合えば済むのですが、住まいが競売にかけられるほどですから話がややこしい場合もあります。
そんなトラブルに対して取り決められている方法ですが、残念ながらありません。
かろうじて落札代金を納付してから6カ月以内に引き渡し命令を申し立てられる、ということくらいですね。
その申し立ても、落札者自ら行わなくてはなりませんが。
とはいえ、引き渡し命令というものがあるだけでも多少の救いにはなります。
占有者がなかなか立ち退こうとせず非協力的だった場合には、強制執行や訴訟が必要となることも考えられます。
申し立てを自分で行わなくてはならないのは、裁判所にとっての不動産競売は不良債権の処理であるためです。
不動産会社を仲介しての通常の不動産売買とは違い、不動産競売は内容のほぼ全てを自分で行わなくてはならないのが基本なのです。
通常の競売物件は住宅ローンが返済できない代わりに差し押さえられた物件ですが、住宅ローンではなく税金が払えない代わりに差し押さえられたものもあります。
公売物件というのですが、税金の代わりとしていることからお判りの通り、差し押さえるのは国や地方自治体です。
名称が異なるので不動産競売に分類できるものではないかもしれませんが、こちらも入札が行われるので、そういう点では競売物件の一種と言えるでしょう。
競売物件の場合は、住宅ローンの代わりとはいえ差し押さえるのは裁判所です。
住宅ローンを扱っている金融機関がいずれかの裁判所に申し立てるため、物件を管轄するのもその裁判所となります。
公売物件の場合は管轄も国や地方自治体です。
競売物件と公売物件には以上のような幾つかの違いがありますが、入札額が高い人に売却できることや競売のシステムに大きな違いはありません。
また、公売物件も比較的安価で手に入れられるため、競売物件と同様多くの人が利用しています。
利用している人の中には、不動産会社やその関係者なども。
ちなみに、通常の競売物件の場合は住宅ローンの代わりのため不動産が対象となることは間違いありませんが、公売物件の場合は税金の代わりのため、不動産でないものが対象となることもあります。
例として、自家用車や調度品など。
競売物件にせよ公売物件にせよ、支払うべき費用を物件から捻出したがために競売にかけられるものです。
こうして自己責任がとられているのですね。
不動産競売に参加したいのであれば、まずは競売にかけられている不動産にはどのようなものがあるのか調べてみましょう。
では不動産競売についての情報はどう調べると良いのでしょうか?
競売が行われるのは裁判所です。
ですが、情報を調べるだけなら、わざわざ裁判所に赴く必要はありません。
読売新聞や朝日新聞といった全国誌や住宅情報誌を開いてみましょう。
定期的にですが、それらに不動産競売の情報が掲載されています。
競売にかけられている不動産を調べる理想的な順序としては、まず上記の新聞や情報誌等で競売状況を知ること、次に実際に物件を見てみること、その後裁判所へ足を運ぶことです。
しかし、新聞や情報誌に載っている物件情報は最寄駅や住所の一部は載せられていても、明確な所在地は掲載されていません。
また、マンションの場合、そのマンション名も載せられていないのが現状です。
実際に物件を見てみようにも、情報が不十分で現地調査を行えないのですね。
そこで、現地調査ができない代わりに、インターネットの利用をお勧めします。
一部の地裁ですが、「at home」という不動産情報サイトに競売不動産の情報を載せているのですが、そこには新聞や情報誌では判らない間取りや外観写真が掲載されているのです。
特に、間取りは競売に限らず不動産購入の重要な決めてとなるので、是非確認しておきたい情報でしょう。
検討材料としては大変有益なので、裁判所へ行く前には是非一度利用しておいてください。
不動産競売のデメリットは、メリット以上に多くのことが考えられますが、何よりも注意しておいていただきたいことがあります。
それは、競売対象の不動産をどんなに気に入ってどんなに高い値段を自らつけたとしても、必ず落札できるとは限らないということ。
・・・当然ですね。
不動産に限らず、競売とはそういうものです。
手軽に参加できるインターネットオークションとは違い、不動産競売となると誰もがその不動産についてしっかりとリサーチを行うことでしょう。
しかしどんなに心血を注ぎ、どんなに時間を費やしても、落札できないときだってあるのです。
むしろ、落札できない可能性の方が高いかもしれません。
ただひとつの救いは、調査に費やした時間は返ってきませんが、保証金は全額返ってくるということですね。
保証金とは不動産競売に参加するにあたって事前に支払っておくものです。
対象不動産の売却基準価格の二割が保証金となります。
つまり、その保証金を準備しておかないと不動産競売に参加できないということにもなりますが・・・
一昔前までは、もし不動産競売で落札できたなら全額を即金で支払うことが原則とされていました。
しかし、現在は各種ローンの利用が可能なように法改正されています。
とはいえ、不動産競売は未だ一般的な不動産の入手方法とは考えられておらず、ローンの審査等が厳しくなっているのが現状です。
ローンが使えること事体は昔と比較すればメリットと言えるかもしれませんが、内容で考えるとやはりデメリットとなるでしょうね。
不動産競売には次の2種類があります。
【任意競売】
任意競売とは、不動産の売却をあらかじめ不動産会社に依頼しておき、もし購入希望者がいれば不動産売買契約を交わして売却することです。
また、任意競売は財産の整理・保管を目的とした自動売却でもあり、質権や抵当権を実行するために行われることでもあります。
【強制競売】
強制競売とは、前回の冒頭で述べたような、債権者が負債の残りを回収するために行われる手続きです。
ただ、申し立ては抵当権者が行うのではないという点で通常の競売とは異なっており、債務名義は裁判所から取って行われています。
強制競売の主な流れは、まず地方裁判所が差押登記を行うことから始まります。
それが競売開始を示しており、やがて入札・落札されるのです。
いずれの競売の場合も、申し立てには競売申込書を始めとしたいくつかの書類が必要となります。
競売申込書の他には、登記簿謄本、申し立て年度の公課証明書、特別売却に関する意見書、などなど。
この他、債務者が個人である場合には発行してから1ヶ月以内の住民票が必要ですし、法人の当事者がいればこれもまた発行から1ヶ月以内の商業登記簿謄本が必要となります。
また、強制競売には「執行力のある債務名義正本および送達証明書」が必要です。
このように、不動産競売の申し立てには、あまり耳慣れない名の様々な書類が必要となります。
申し立ての際にはそれぞれを忘れることのないようご準備ください。